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蘇える金狼のkurinのレビュー・感想・評価

蘇える金狼(1979年製作の映画)
3.3
「俺たちに墓はない」から「遊戯シリーズ」を経て優作=東映のアウトローアクションの最後と思う貴重な作品。この時期の松田優作は見事な体躯を活かした攻撃的アクションが素晴らしく、いつ見ても感心するほど。本作以後は俳優として演技派へ向かっていったので、私としてはやや残念に思っていました。「金狼」は当時勢いのあった角川映画(大藪春彦原作の出版社)に安定の東映ヤクザ常連メンバーを揃えて、大得意のピカレスクロマンを創り挙げた。主人公の心象世界と企業の荒唐無稽さを描く部分に(個人的には)違和感はあるものの、松田優作の魅力で充分楽しめる。成田三樹夫、佐藤慶、小池朝雄ら名優のユニークかついかがわしさや、なんとも不安定そうな風吹ジュンもこの映画にとてもあってる。バランスが格段によい令和の時代には出現しない映画と思う。
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