ひろくん

蘇える金狼のひろくんのレビュー・感想・評価

蘇える金狼(1979年製作の映画)
2.7
物静かな青年が内に秘める野心。この野心というのが、まったく「野心」たりすぎて笑ってしまう。大会社を一平社員が乗っ取る、しかも腕尽くで。
なんやかんやあって結果、自社株をほぼ独占、社長令嬢とご婚約、手に入れた豪邸で歓喜の咆哮、夜明けの街を真っ赤なカウンタックで高笑いしながら爆走。なにもかも景気がよすぎる。そういう意味では非常にあっけらかんとしていて気持ちのいい部分があるが、とにかく、自らの障害となるものを越えていくときのあっけなさ。「脂の塊」と表現している人がいるがまったくその通りでスーパーマン優作の前に会社の重役やヤクザ、プロの殺し屋までもがなす術なく死んでいくのは松田優作に全幅の信頼を置きすぎだと思う。それぐらいの説得力はあるけど。でかいし。
ただ、昇進を約束する代わりに殺しを命じてくる重役、しかも理由が「ボクシングをやっていて強いから」。そして銃で。ちょっと、な…。
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