噂のみわ

第9地区の噂のみわのネタバレレビュー・内容・結末

第9地区(2009年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

人種差別のメタファーと思いきや、ごりごりの友情物語だった

まず、前提として。
そもそも、宇宙人なんて人間の想像の範疇ではないだろうし(深海魚でさえ摩訶不思議)音声で意思疎通できるとか、人間が管理してるとか設定が都合良いなと思った。宇宙人がいたとして、認識できるのかすら分からないし。

そんで、この映画の感想を書こうとすると、二軸で考えなきゃいけないんじゃないかと思う。


まず、現実への問題提起の部分(人種差別のメタファー)
主人公が感染して半宇宙人になったところで扱いが変わったり、武器の実験台になったりしたところで、人権ってなんなんだとめっちゃ考えさせられた。さっきまで下に見てた宇宙人を殺せと言われたときに「ブタに変えてくれ」的な事を言ってて、きっと半ブタ人になってブタを殺せと言われたら、ハエにしてくれとか言うんだろうなと思った。自分の立場によって他種(外国人)への見方が変わるのが明確になるシーンだと思った。
最初期のシーンでは宇宙人はこんなんやないやろというツッコミの嵐だったけど、序中盤ではメタファーとして考えればすげぇおもろいと思って見てた。
けど、問題提起的な面白さはここがピークで、こっから主人公と宇宙人の友情物語にシフトしていく。


もうひと軸の中盤〜ラストは友情物語だった。
液体の容器を探さなきゃ!のあたりから王道のストーリー臭がし始めたので、もうエンタメとしてみようと心を切り替えた。
私は宇宙人側に感情移入してたので、パパを殴ったり勝手に船を起動したり子供をお菓子で釣る主人公はゴミくそうんち野郎だと思った。
最後宇宙人の為に戦ったのは良かったと思う。奥さんに花をあげてたけど、果たして三年経って宇宙人が助けに戻った時(あいつは絶対に戻る良いやつ)にまだ、人間に戻りたいと思うのか?と想像が膨らむ。

まとめ
私は今回心に楽しみ方を工夫する余裕があったので割と楽しめました。
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