Nao1996

第9地区のNao1996のレビュー・感想・評価

第9地区(2009年製作の映画)
3.3
フィクションをニュースのドキュメンタリーにしてそれを切り貼りしながら大きな物語の筋を作り出す構成はあるけど、此処まで全体を通して徹底してるのはあまりないんじゃないかな。メディアから得る世界が当然となってる現代人からすればとてもリアリスティックにうつる。
脚本は、これがヨハネスブルクなことに意味がある。アパルトヘイト、迷信によるアルビノの虐殺、この映画は現実にあった社会問題を形を変えて問い直し、未来に警鐘を鳴らしているかのよう。アンビギュアスな存在で迫害する側であり、される側である主人公が次第に”エビ”の側に寄っていくのが印象的。差別という昨今のキーワードを皮肉った作品だ。
Nao1996

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