マンション

第9地区のマンションのレビュー・感想・評価

第9地区(2009年製作の映画)
4.0
主人公のキャラが絶妙。
冒頭のフェイクドキュメンタリー調の20分で、主人公ヴィカスさんの小物感、空気読めない感、そしてその弱い脳ミソを最大限使っても利己的な行動しかできない残念感が十二分に伝わってきて、おお、こんな奴おるおる!て逆に気持ち入ってしまう。
しかしそんなクズなヴィカスさんでも、一転して虐げられる側に回ったとき、観てるこっちは俄然応援してしまうし、
小市民なりに持ち合わせていた一ミリの良心が最後の最後で遂に発動する瞬間、もう気持ちはガン上がり。
このシーン、埃っぽい大地に注ぐ強い日射しと民族ぽいアイヤ~的な歌の終末感を背景にしながら、パワードスーツの頭部が宇宙船の方を振り返った瞬間カメラのピントが宇宙船に合わさる、ていう感情が切り替わる演出が超絶素晴らしい。ここはほんま泣いてまう。

その他良かったところ
・チュン!の一瞬で炸裂する人体破壊描写
・リトルCJの愛くるしさ
・ヴィカスさんの“フォーク!”て言う“Fuck”のクセ
・序盤でヴィカスさんに同行してる部下の奴が醸し出す、なんとも言えん独特のボンクラオーラ