のんchan

チョコレートののんchanのレビュー・感想・評価

チョコレート(2001年製作の映画)
4.1
意識して選んだ訳では無かったけど...
今世界中で話題のアメリカ🇺🇸の根深く変わる事のない黒人差別👨🏿‍🦱
この映画は人種偏見問題を孕んでいます。ジョージ・フロイドさんを追悼の気持ちで最後まで鑑賞しました。

この作品でハル・ベリーは白人以外で初のアカデミー主演女優賞を受賞しました🏆
ほぼ20年前の作品なのに、彼女はほとんど変わらない美貌を今も維持してますね✨

作品の内容はとてもとても重かったです。
観ながら沢山頭を使いました。


死刑囚の夫と過食症の息子を持ち、極貧生活を送るレティシア(ハル・ベリー)。夫は死刑執行されてしまう。
その執行人を務めたのが、ハンク(ビリー・ボブ・ソーントン)とその息子のソニー(ヒース・レジャー)。
その親子は祖父バック(ピーター・ボイル)含め、3代が刑務所の看守。
バックはとうに引退しているが、一家の元凶であり、根強い黒人差別主義者。バックの思想が必然的に息子のハンクへと受け継がれていた。

ソニーはそんな家で育ったが、とても優しい人間的な青年。死刑執行で気分が悪くなりハンクから罵倒されて殴られる。その事や今までの父に対しての怒りが爆発し、父の目の前でピストル自殺をしてしまう。

夫を亡くしたレティシアは、車が故障し息子と雨の夜道を歩いている中、息子が車に轢き逃げされてしまう。
そこに通りかかったハンクが病院に運ぶが息子は死んでしまう。
悲しい現実の中、二人はお互い惹かれ合い、男女の仲に。

高齢で身体が不自由になった父親バックを施設に預けレティシアと暮らすことを選択したハンク。
同居を始める二人だったが、ソニーが使っていた部屋で、似顔絵が得意だった夫のサインがある夫の書いたハンクとソニーの似顔絵を発見し、そこでハンク達が執行人であったことを悟る。

最後はレティシアの気持ちを知らないハンクは大好物のチョコレートアイスを食べながらしみじみ言う「俺達はきっと上手く行くよ」と。。。

この時のハル・ベリーの表情が巧い。
『大いなる絶望と小さな希望』

アメリカの黒人差別問題 、貧困問題。
そして今朝、日本の高校1年生が拳銃らしきものでの自殺のニュースを見ました。
若者の自殺。
この作品では心優しきソニーの自殺(ヒース・レジャーの演技が素晴らしく、他の作品でもみんな良いので、つくづくヒースの死も惜しまれてなりません)

愛情の表現方法で生死を決める事だとか、理性と本能の狭間で動く感情とか...

書き過ぎましたが💦これは観るべき優れた作品です🌟
のんchan

のんchan