クシーくん

ブラック・ライダーのクシーくんのネタバレレビュー・内容・結末

ブラック・ライダー(1971年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「ブラック・クランズマン」でも触れられていた所謂ブラックスプロイテーションの映画で、監督兼主役のシドニー・ポワチエ始め黒人をメインに据えた異色西部劇。
南北戦争が終わり、解放されて後、豊かな土地と自由を求めて西部へ向かう黒人の幌馬車隊一行。それを邪魔する白人植民者から幌馬車隊を守るために危険も利益も顧みずに戦う男を描く。

シドニーポワチエ演じるバックと先住民とのやり取りが印象的。バックは南北戦争で功績をあげた元軍曹であり、白人から虐げられ続けた黒人ですら先住民からすれば白人と一緒になって自分達の住処を奪う侵略者に過ぎない。
西部劇の配役を白人から黒人にそのまま代替することなど有り得ないと当然の事だが改めて認識出来た。

ハリー・ベラフォンテ演じる胡散臭い牧師がとても良い味出してる。長髪アフロで髭で痩せてておまけに歯もガチャガチャなのでベラフォンテだと途中まで気が付かなかった。

一見冷徹だが、内なる情熱を秘めたポワチエと金に汚いが何だかんだ言って情に厚いベラフォンテのバディが素敵。
バックが単なる公明正大な正義漢ではなく、目的のためなら殺人も銀行強盗も厭わないハチャメチャぶりが魅力的。
殺人に関してはまあある意味復讐なので良いとしても、銀行強盗は追い詰められていたとは言えやり過ぎだ。強盗をけしかけたベラフォンテも段々引いてて面白い。ポワチエクール。
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