洋画になくて、邦画にあるもの。それは、「懐かしさ」だと思う。
この映画には、そんな邦画のよさが詰まっている。
近所の子達と連れ立って近くの海へ海水浴へ。そんな経験全くないのに、なぜか懐かしい。
私の中学とは違う田舎の教室も、なぜか懐かしい。
それは、誰もが経験した懐かしさの一部が、綺麗に取り入れられているからだと思う。
夏の夕暮れのひぐらしの声、学校の廊下に差し込む西日。
「こういう子、いたー」と感じる男子、些細な勘違いがすれ違いを起こす女友達との関係。
そんな誰もが覚えのある感覚を、上手く取り入れ、物語を見つつ私たちを自分の郷愁の世界へとも誘い込む。そんな映画だった。