はるこ

マイ・プライベート・アイダホのはるこのレビュー・感想・評価

4.2
BANANA FISHを読了してから無性にリバー・フェニックスを見たくなって辿り着いたこの作品。

ストリートの男娼であるマイクが母の影を追って仲間のスコットと共に旅をするロードムービー。

ストーリーが進むテンポが結構早くて、前半はついていくのがちょっと大変だった。もっと時間長くなってもいいからもう少し丁寧に描いて欲しかったな。でも精神的にしんどい描写もあったからあえてコンパクトにまとめたのかな、なんて思ったり。
正直リバー・フェニックスとキアヌ・リーブスの画力で持っているようなものだけど、なんせこの2人の演技力が素晴らしくてずっと画面に釘付けだった。

市長の息子で頭の切れるスコットを演じる若きキアヌの圧倒的な清潔感。前髪を下ろしている姿見たことなかったからなんか新鮮。
特にマイクを演じるリバーは発作性睡眠を患うの男娼という難しい役を見事に演じ切っている。ストレスで発作が出てしまう姿は本当に痛々しい。


嘘だろ、スコット…

夢の中でしか会えない母親。

拾ってくれた人がどうか心優しい人でありますように。



どんなに苦して、辛くて、どうしようもない生活を送っていても目が覚めると朝は来る。
ああ、それでも人生は続くのか。

“Have a nice day ”
現地では挨拶としても使われる素敵な言葉だと思うけど、彼の境遇を目にしたらその言葉の気軽さが無情にも彼を突き放すようで残酷にも思える。

リバー・フェニックスの俳優としての才能をひしひしと感じる作品だった。

もっと色んな作品で貴方を観てみたかったよ。
はるこ

はるこ