「道」で始まり、
「道」で終わる物語。
ずっと観たかった作品!
やっとDVDが買えて、念願の鑑賞でした。
澄みきった青空、永遠に続く道。
アメリカの片田舎に広がる風景の中に
閉じ込められた若者たちの叫びが聞こえる。
生きるために、愛されるために
自分の居場所をみつけるために…
皆それぞれ理由を抱えて
汚い世界に入っていく。
万人受けする映画ではないけれど、
この独特の雰囲気、すごく好きです。
リヴァー・フェニックスとキアヌ・リーヴスがハマり役で相性もぴったり。
もはや演技ではなく
その人物がそこに存在していて、
彼らの心を通して景色が見えていた。
リヴァー演じるマイクの独白は
シェイクスピアの戯曲みたいに繊細で
キアヌ演じるスコットのまっすぐ前を見据える目は切なくも力強く、かっこよかった。
友情を描くならこうする。
この設定ならこうなるだろう。
そんな映画の常識や綺麗事を吹き飛ばす、一筋縄ではいかない展開に
ドキュメンタリーを観ているような、
美しさとリアリティが絶妙に絡み合うような不思議なものを感じました。
ゆったりしていて静かな映画でしたが
その中で愛や人生について、別の視点から見せてくれます。
静けさの中に秘められた情熱を感じる、
心に残る作品でした。