せい

マイ・プライベート・アイダホのせいのレビュー・感想・評価

3.8
生きるために体を売る男。
男娼ではあるが別に体を売らなくても生きていける男。

そんな二人が始める”旅”は、どこを切り取っても美しい。
母親に会うため、二人でバイクに乗って知らない街を転々とする。
旅の途中、マイクがスコットに恋心を告白するシーン。辺り一面真っ暗な外で、焚き火の炎だけがゆらゆら動く。お互いの顔もはっきり見えるわけではない、そんな場面でマイクはまるで懺悔でもするかのようにか細く言う。
「好きなんだ、本当に、好きなんだ」
この告白のシーン、今まで見てきた映画の好きなシーンベスト5入りを果たしたくらいめっちゃ好き。
友達としてスコットと接していた時とは全然違う、今にも消えてしまいそうなほどよわいマイクは見ていて胸がギュッてなる。
そして体を売ることの目的が違う二人だからこそ道も違える。仕方ないことだと分かっていても「どうしてこうなるんだ…」という気持ちになった。
若い頃のキアヌ・リーブスが美青年すぎて溜息ばかり出た。私の印象「ジョン・ウィック」なんですけど…。
せい

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