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マイ・プライベート・アイダホの3Dメガネのレビュー・感想・評価

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※ネタバレあり
※以下主張は全て個人の考えに過ぎません
『マイプライベートアイダホ』
Netflixで配信中🎥🎥
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【テーマ】
[不変のもの]
本作の主張は運命論に基づいているのかもしれない。
主人公の故郷、アイダホがタイトルにある通り
出生がその後の人生を左右するという残酷な現実が描かれる
金持ちの子は富裕層で暮らすことになる。
思春期は親への反骨心から、社会階層を
縦断するも
結局は自らの解放へと回帰する。
主人公は、下層から抜け出せず、
故郷を、母を思い出すことしかできない。
そして変えられないものの象徴が
性的嗜好である。
彼の実らぬ恋心は、性的嗜好のすれ違いから生じるものであり
努力や時間は解決しない。
そんな若者の残酷な現実を
この映画は爽やかに淡々と描く。
個人の経験的価値に大差がないかのように
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【鑑賞ポイント】
[ホームレスの親分]
本作で印象的なキャラクターは
ホームレスの親分だろう。
彼は良くホラ話をするが、界隈では人気者だ。
そんな彼の権威を嘲笑うのが富豪の子である。
彼は当時から見下した視点を持っている。
明るい嘘に下がることで精神を保ってきた
界隈の連中は、恐らく嘘を見抜いていても指摘はしない。自分の境遇を直視することは辛いことだ。
しかしお金があり、戻るべき家がある人間にそんな正当化は必要なく、嘲笑う。
身分の違いの壁は分厚い。


【まとめ】
90年代初期の作品ですが
格差はしっかり描かれていますね。
そして遺伝子と出生とゆう本人が決断できない要素がもたらす影響を示しています。
ただ、本作のラストでは人は人を救い上げることができることを描きます。
残酷な現実を描きながら、微かな希望をも同時に示すあたりは、優しい監督さんだと思いました。
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