カタパルトスープレックス

ペイルライダーのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

ペイルライダー(1985年製作の映画)
3.7
クリント・イーストウッド監督主演作品。どことなく監督二作品目の『荒野のストレンジャー』(1973年)に似てるし、師匠のひとりであるセルジオ・レオーネ監督の「名無し三部作」を彷彿させる部分もある。

「理不尽な暴力に振り回される不条理」はクリント・イーストウッド監督作品の多くにみられるテーマです。『荒野のストレンジャー』もそうだったのですが、ファンタジー色が強すぎて考えすぎというか、捻りすぎな感じがしました。本作は監督としては十二作品目。ベテランの域に達しはじめた頃です。たぶん、『荒野のストレンジャー』は心残りの一作だったのではないでしょうか、肩の力を抜いてもう一度やってみようと思ったのかも。

主人公は名のない牧師(クリント・イーストウッド)です。どこからきたのか、何のために来たのかわからない。『荒野のストレンジャー』の主人公と同じです。立ち寄った町で独立した集落の金鉱で働く男ハル(マイケル・モリアーティ)を救います。それがきっかけで独立した金鉱の採掘権を狙うラフッド(リチャード・ダイサート)から守ることになるのですが、ラフッドには名のない牧師と因縁がありそうな保安官ストックバーンが味方につき……という話です。

もう、いつもの「理不尽な暴力に振り回される不条理」なクリント・イーストウッドの映画って感じです。スッキリまとまっていて破綻もない。そのまとまり加減が不満といえば不満。