空衣

日本のいちばん長い日の空衣のレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
4.5
「ニッポンを愛し」「栄光ある敗北」「ニッポンの国体護持のために」などと聞いて、オリンピック2020連想して気持ち悪くなった。虫唾が走るとはこのこと。負け方を知らないのは往生際悪く、大変格好悪い、と現代の私は思う。

それほどの鬼気迫る演技は見事だった。とくに畑中の気持ち悪い熱血ぶり、頭の固さ。血走った目も声も、本気で相手にしたくないタイプの気持ち悪さ。歴史の教科書では、「軍部の力が強かった」くらいの情報しかないので、観ておくべき映像作品。男性オンリー映画(10秒ほど、女中1人だけ)。

玉音放送前に手書きで原稿書き写していて、書き直すとなったら1時間かかる!という慌てっぷり。決定事項は重大なのに、手続きは極めて素朴。
軍部に対して「ニッポン精神?君たちだけが国を守っているのではない」と言い返すのはカッコいい。天皇が登場しないことで崇める対象として存在感を発揮している。
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