るい

日本のいちばん長い日のるいのレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
4.5
8月15日第二次世界大戦の終戦日。
若い頃は何にも思わなかったけど、平和は当たり前にあるものでは無いんだなと、年を重ねる毎に実感する。

今はウクライナの事があって忘れない日はないけれど、本当に戦争の事は忘れてはいけない。資料館であれ、映画であれ、広島や長崎へ行くでも、定期的に戦争には触れていたいと思う。

この映画は、日本降伏におけるポツダム宣言の受諾のまで経緯、クーデター(宮城事件)、終戦の旨の玉音放送、8月15日までの出来事を描いている。ポツダム宣言を無視するのか、条件付きで受諾するのか、無条件受諾するのか。昭和天皇や内閣の動きをドキュメンタリーのように見る事ができる。

国民の命を守ると言う昭和天皇、国の形を守ることにとらわれ本土決戦を願う陸軍省の幹部たち。内閣のポツダム宣言受諾の検討は平行線だ。
そんな中で原爆の投下。本当に恐ろしい。
早く日本の降伏を決めてくれればこんな恐ろしい事は起こらなかったのではないかと考えずにはいられない。戦地にいない人間たちが、戦地の人々の命を握っているのだ。

戦争が起こらない事を願うし、そういう政治が行われる事を切に願う。私たちが見ている、関心があるという事を選挙の投票という形で示し続けたい。

映画という観点で言うと喜八監督率いるチームでの撮影、三船さんや志村 喬など演技は力強く終始緊張感があり大変面白い。作品としての素晴らしさがなければ、多くの人に見てはもらえないので、ある程度のかっこよさや脚色は良いと思う。しかし、本当にこの映画は年代問わず様々な方に是非とも見てもらいたいです。
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