2級ハカセ

日本のいちばん長い日の2級ハカセのレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
4.2
建て替え前の文芸坐地下はよく通った映画館のひとつ、やはり本日観るべき映画として新文芸坐にて鑑賞。
昭和20年8月14日から15日(終戦の日)天皇陛下の玉音放送が流れるまでをドキュメンタリー・タッチで描いた岡本喜八監督の不朽の名作、いつまでも色褪せない(モノクロ映画ですが)名作とはまさにこう言うのをさすのでしょう。
当時の東宝の輝かしきスターたちが勢ぞろいし、重厚で情感溢れる演技は本当に迫力と緊迫感があり、今観ても心が揺さぶられる思いです。
物語は終戦の日、天皇陛下の玉音放送を阻止しようとする宮城事件という陸軍将校達のクーデターが中心として描かれていますが、この映画の良いところは、緊張感を維持しながらも話をスムーズに進めるテンポいい構成です。
これが2時間半という長さを全く感じさせないのは岡本監督の巧みな演出ならではだと思います。
映画前半では閣議のシーンが多く出てきますが、閣僚たちの議論や実務者たちの奔走するシーン、庵野秀明監督が『シン・ゴジラ』の参考にしたのは有名な話で、若い方々にもきっと心に刺さる映画だと思います。
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