春21号

日本のいちばん長い日の春21号のレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
5.0
岡本喜八の代表作であり日本映画の代表作でもある本作
最早現代この映画を語る上ではシン・ゴジラは外せないほどシン・ゴジラはこの映画の影響を受けている。
というか影響を受けてるどころかこの映画の型の中でゴジラ映画を撮ったと言っても過言ではない
それぐらいこの映画の型は良く出来ていた。

起こることは起きるんだと言わんばかりに矢継ぎ早に色んな出来事が交錯しそこにある感情は最小限に抑え、これだけのオールスターキャストにも関わらず最後の玉音放送その一点に物語を集約させるその潔さが観るものを物語に引き込んでいく

カットカットとにかく間を詰めたカット
限定空間を新鮮さを損なわずにあらゆる角度で撮るカメラワーク
ナレーション 字幕で情報量で攻めるやり方
史実として教科書的な見地からもこの映画を評価できるが実験的とも言える映像技法がこの映画を心の底から面白いと言わせるところが一筋縄ではいかないとこだろう。

詰まる所そんな無茶ができるのは俳優さん達の確かな演技力あってこそでありこれを力のないセクションでやると目も当てられない事になっていただろう
その辺ももちろんシン・ゴジラはちゃんとわかってやっていて庵野秀明は日本の1番長い日の型が正しいということを決定的に証明してくれたんだなと感じた。

という事でこれから日本映画は日本の歴史における重大な出来事を映画化するときは日本の1番長い日の型でキッチリと撮って欲しいと思った。
題材を変えるだけでこの型は何遍も繰り返し輝くと思うからそれも庵野監督が示してくれた。

日本の1番長い日は日本人にとってとても重要な事を描き忘れ難くそしてメチャクチャ面白い作品になっていると思います。

今回この作品を映画館で観れたことに感謝します。
ありがとう午前10時の映画祭
春21号

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