azitarou

日本のいちばん長い日のazitarouのレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
4.7
長尺のアバンタイトルがまず最高すぎる。ものすごい人数のキャスティングと奔放なカメラのカットで目まぐるしいが、スクリーンに映る全員が大マジのマジ顔でダラダラ汗を流し、苦悶の表情を浮かべ、大音声で絶叫する様は鬼気迫るものがあり、めちゃくちゃすごい。政治家も軍人も事務方もあらゆる人間が終戦という舵取りに対して全力で振り回され、会議は延々と進まないし事務処理は何度も遅延する。本当につらい。どう考えても戦争継続なんて不可能なのに気迫と意地と軍人としての責任感で蜂起を決行する異常さ。現場で巻き起こる感情の坩堝に、淡々としたナレーションが添えられたことでどこか空虚なようにも見て取れる。狂った祭りだ。
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