白豚

日本のいちばん長い日の白豚のレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
4.0
昨日見た七つの会議と同じような感想を持った。やはり国とか会社のために人生を懸ける気持ちを理解も尊敬もできない。自分の財産や愛する人のためにとかならまだわかるけれど、組織なんてぼやぼやしたもののためにどうしてそこまで尽くせるんだろう。宗教でもないのに。思い返せば私は学校のために!クラスのために!とかもなに言ってるんだって感じだった。もちろん学校のクラスも会社も国も個人の利益に関係するものではあるけれど、どれも命を懸けるほど重要ではない。組織に尽くす人って貪欲すぎるのでは?個人の財産ならまだしも、自分が所属する組織までコントロールしたいだなんて、そんなに自分を構成するもの達が大事か?そんなに自分がかわいいのか?そういうことじゃないんかな、よくわからない。阿南らは一見不特定多数に尽くしているようで立派に見えるけれど、自分さえよければどうでもいいってスタンスで生きてる人とただ見えてる世界の範囲が違うだけ。日本民族のために…って、じゃあ外国人はどうでもいいんだなあ。それとも彼らにとっての「世界」は日本だけなのか?そんなわけないそれなら大東亜共栄圏とか言わない。愛国心って排他的よな。郷土愛ならわかる気もするけれど、愛国心という信念は本来人間に備わっているものじゃなくて植え付けられたものなように思える。信念なんて人それぞれでそれぞれに価値があってないような石ころみたいなもので、そんなもののために死ぬとかあほらしい。自分の信念に価値があると思ってる時点で傲慢なんだろうな。頭こんがらがってきた。共感はできないけれどおもしろい映画だった。テンポよく進むのに心情がしっとり伝わってきて2時間半とは思えない濃さだった。ほんっと長い1日だったなあ。
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