「LA大捜査線 狼たちの街」
冒頭、米国国旗が風に靡く。
黒い車の列、ワン・チヤンの音楽が流れ、ダイナマイトを体に巻き付けた男。
爆発、銃撃戦、親友の死、シークレットサービス、通貨偽造団、FBI、今壮大な復讐戦が幕を開ける…
本作は恐怖の報酬から8年が経つ85年にW.フリードキンがペティーヴィッチ原作をW. ピーターセンとW. デフォーを迎え撮ったサスペンス映画で三度鑑賞したが彼の世界観満載だ。
この男女区別が無いスタイルが良い。
にしてもこの監督は捜査物、犯罪物を撮らせたら一流だな。
また一際目立つのがアウトサイダーアート的な画があちこちに配布されたシーンだ。
あれは観ていて圧倒される。また偽札を製造する迄の過程が凄く興味深く、こんな容易く、いや実際は大変なんだろうが…あっという間に札束が出来上がってたまったもんじゃ無いなと。
この具体的なプロセスがフリードキンの本気度が伝わる。
意図的に映像と音楽だけで数分間一切台詞無しに進行するこだわり様にも一種の興奮みたいな物を感じる。
BGMが凄く場面に合っている。
LAを舞台にした数々の映画の中でも目立つ一本だ。
本作は単純明快でスタイリッシュなアクションとバイオレンスを入り交ぜたフリードキン監督の激烈爆走映画。
そして悪役が似合うデフォーが本作でも降臨する。
劇中の音楽はカッコいいし様々な濃いキャストが繰り広げる捜査、戦闘、心理戦は非常に楽しめる80年代の良作映画だ!