ユキ

ハンナとその姉妹のユキのレビュー・感想・評価

ハンナとその姉妹(1986年製作の映画)
5.0
ウディアレンの隠れた名作


タイトルの通り姉妹を軸に広がる人間ドラマなんですけども。
ん~~~~ いいところ突いてる……そうよね、人間って、愛ってこういうもんだよね……美しさとか清廉潔白の面ばかりを掬い取らないウディアレン好き。
嫁がいるのに自分は嫁の妹が好きなんだ!っていう思いを突然爆発させてしまう旦那とか、結構ドラマとしては人間くさいんだけど、とにかくバッハのずば抜けた音楽に聞き惚れるのと、アレンおじいちゃんの気持ち悪さが中和するんですよ、それはもういい感じに!!!
アレンおじいちゃんはちなみに今回は病気恐怖症の役で気持ち悪いです ♡
あとシーンごとに暗転する演出も、今見てもお洒落なファッションもなんだか好きでした。あんまピント当たらなかったけどニューヨークが舞台ってのも◎


ウディアレンのなかではアニーホールの次にお気に入りになった。
外国人が事あるごとにi love youを口にするのは、愛が移ろうことを知ってるからだと思うんですね、日本人はそれを’察し’に委ねるんですけど。
今日は愛してるけど、明日も愛してるかわからない、だから別れ際とか日常に愛のことばを持ち込むんだと思ってるんですけど、この映画を観てるとまさに愛ってやつは全くはかねえなあと思うわけです。
で、誰かしらを滅茶苦茶に傷つけて自分も傷ついて、自分の肌に合うひととか生活を見つけていくのが人生なんではないかしらと。
まぁそんなはかねえ愛でも、愛すものがないより、何かしらの愛がある方が人生味が出ると思います。
ユキ

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