さくらえび

弓のさくらえびのレビュー・感想・評価

(2005年製作の映画)
4.2
海上で生活する老人と、その老人に囲われて10年間一隻の船の上で暮らす少女の話。
少女の17歳の誕生日に2人は結婚する約束をしている。約束の日まで、あと数ヶ月という時に少女は船に客としてやってきた一人の青年と仲睦まじくなってしまう。老人は怒り、少女は老人に嫌悪感を抱く。

客観的に見ると少女を10年も船に閉じ込め、風呂の世話とかもしてる爺さんなんか不潔で不道徳。だけど、なぜかそう思えない。青年が少女を連れ出そうとする時の爺さんの様子を見ていると、爺さんが可哀想で二人の世界は船の上で完結してたんやから部外者がそれを壊すなよ、とさえ思ってしまった。

主演の二人の演技が素晴らしい。台詞はないけど、サイレント映画のように体の使い方や表情だけでの演技で、感情を伝えていたように感じます。

韓国の民族的な色彩や音色も美しかったし、タイトルにもなってる弓の使い方も象徴的で良かった。