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幸福(しあわせ)のmanoのネタバレレビュー・内容・結末

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

えぐ映画や…❗️

[映像・音楽・編集…]
シーンの移り変わりで、色を挟むのがすごい。

エミリとフランソワのベッドシーン、ワンカットワンカットがフォトモンタージュみたいでまじで素晴らしかった。あれすごい。かっこいい。

家族とひまわりのカットとひまわりフォーカスのカット、フランソワの運転姿カットとライオンのカット、別のものが交互に写るのが印象的。特に、フランソワがエミリの新居を訪れるシーンで、2人の顔がバーーっと交互に映るところもめちゃくちゃよかった。

定期的に使われる音楽もいい。「パパ、ママ、森へ行こう」っていう娘のジズーのセリフがなんかすごい印象に残った。森に行くシーンが定期的にあって(フランソワがテレーズに打ち明けるところも森だし、テレーズが死ぬのも森の川)、"森"っていう自然のものがモチーフというか、何か意味を成しているのかなと思う。

途中でジズーがパプリカを使って、カメラに向かっておどけてきた。
  
最後は森の中を進む家族のロングショット。こういう賛否両論(?)が巻き起こりそうなストーリーはこういう余白を入れるのが効果的だなと思う。

[ストーリー]
全部を見て、えぐかった。
「私はこの関係で満足よ 男性は初めてじゃないし」「愛してね」って言ったエミリが、自分の気持ちに従順で、かわいすぎる。だけどテレーズが亡くなった後、自分からは連絡せずにフランソワが自ら自分を訪れるのを待っていたとわかったところでは、流石に従順すぎて、もっとわがままでいいよ、と思った。その後フランソワの結婚の申し込みにokするのも従順すぎる。
フランソワ、えぐすぎる。お前も、自分の気持ちに従順すぎる。俺の気持ちわかってくれとか、えぐすぎる。「愛が2つ」とか言うとりましたね。多分フランソワはまじで2人を愛しているんだろうけど、その気持ちとテレーズの気持ちは別で、そこでどこか折り合いをつけなくちゃいけないのに、わかってくれ、みたいなのやばいかも。てか結局、俺のことを今まで以上に愛してくれで、yes出したのって、エミリと別れるからもっと俺を愛せってこと?エミリと別れずにってこと?
結局テレーズは亡くなって、観客はきっとフランソワの話を聞いてたまらなくなって自死したんだと想像するし、おそらくそうだろうけど、もしかしたらそうじゃないかもしれなくて、こういうふうにショックを受けたんだろうなと想像はできても、絶対にもう本人には聞けないっていうことが死ぬということなんだと思いました。
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