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櫻の園のcalinkolincaのレビュー・感想・評価

櫻の園(1990年製作の映画)
4.4
桜の季節になると思い出して観たくなる、美しい作品。
ある女子校の創立記念日にチェーホフの「櫻の園」が上演されるまでに演劇部内で起きる小さな事件、それらによって起きる少女たちのこころのさざなみ、本当に他愛のないおしゃべり。それらがとても繊細な雰囲気で描かれています。
とても高校生には見えない大人っぽさが美しい白島靖代、同じくこの若さで安定しまくってる演技力の中島ひろ子、ポニーテールにくりくりとした目が愛らしい下級生役の宮澤美保などももちろん魅力的なのですが、私が心奪われてしまったのはなんといっても、あの不思議な存在感でちょっと不良な先輩を演じたつみきみほ。
女子女子した雰囲気の中でひとり、少年のようなルックスとあの猫のような目で少し離れたところから状況と自身の想い人をみつめる凛とした横顔に、きゅん。
女の子、或いは女の子だった(女子校出身ならなおさらかも)すべてのひとにわかる【あの感覚】がつまった映画なんじゃないかと思います。
東京女子流が主演した「5つ数えれば君の夢」。あの作品に流れる空気感が好きな方にもオススメしたい作品です。
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