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スパイダーマン2のJIZEのレビュー・感想・評価

スパイダーマン2(2004年製作の映画)
3.6
賛:今回は敵陣ドクター・オクトパスの殺傷を厭わない無機質で狂気的なフォルムが良い。ピーターが大学に進学した事で対象年齢が引き上げられた設定も入り込めた。背景でオズボーンとの確執が膨れ上がる機微も丁寧に描写されていたように感じた。

否:前回に比べ英雄スパイディとしてのお約束である人名救助シーンや能力を持つ者が街を不穏に脅かす場面が特段に減っている。ゆえにヒーロー映画として悪を成敗するカタルシスが生じにくい造りだったのではないかと。それ以外は概ね良好。

ヴィラン面では前回のグリーンゴブリンに比べ格段に凶悪化した科学に精通する敵がスパイディを四方八方から襲う。戦闘シーンがずば抜けて良かっただけに日常の平凡なシーンが代わり映えのない前回の延長線上をなぞるだけなので俺は退屈に感じてしまった。ただ全部がフィナーレに向けた背骨のシナリオだと想定すれば最後3作目の動向に注目したい。
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