バートン

ゴジラのバートンのレビュー・感想・評価

ゴジラ(1954年製作の映画)
4.5
「原点にして頂点」という言葉は、スーパーマンかこの映画に送られるべき言葉である。


あのBGM、あの鳴き声、人類史上初のゴジラ襲来の物語は、何処よりも素晴らしい完成された反戦・反原爆を語るものでした。


確かに古臭い、CGIやVFXなんていう技術はない時代だから至る所に工夫が垣間見えるし、臨場感は今を生きる自分にはあまり感じられなかった。のにめちゃくちゃ怖い。

親を亡くして泣き叫ぶ子ども、諦めて心中を図ろうとする家族、最後まで「ゴジラ」を報道し死んでいく記者たち、歴代最高峰の生々しさ。


ゴジラの伝説が語り継がれる農村、その伝説を信じなくなっていく新世代の若者たちは、まるで戦争や原爆を知らない今の若者そのものであって、
「ゴジラ」とはなんのメタファーなのか只管考えるようでもあった1時間半。


ゴジラを殺す方法、その唯一を握る1人の博士の考えと至った結論には、今もある核の問題にとても良く通ずると感じた。

歴史の授業で観るべき映画だと思う。切実に。


(ゴジラを殺すか殺さないか論争において、女性議員が死ぬほど大声で威張る男性議員を口論でボコボコにしていたのが凄いスカッとして好きでした。)
バートン

バートン