ブタブタ

ゴジラのブタブタのレビュー・感想・評価

ゴジラ(1954年製作の映画)
5.0
この第一作目の時点ではゴジラの行動原理も目的も正体も全てが謎。
水爆実験の放射線を浴び急速に突然変異と異常成長を遂げた、人類が未発見の大古の巨大生物。
恐らくは生殖機能もなく(又は必要ない)生物の第一目的である「子孫を残す」事すらゴジラにはなく只ひたすら破壊を繰り返すだけ。
核爆弾を食らっても死なない。
まさに完全生物であり破壊神。

ゴジラが山の上から姿を現す場面。
あのヒョコッと顔を出した構図がオディロン・ルドンの『キュクロープス』そっくりに見えて。
巨大な恐ろしい怪物なのに目がつぶらでどこか可愛くそれでいて感情が希薄な意思疎通が絶対不可能の存在である不気味さ異様さと圧倒的な恐怖。

このゴジラ第一作はもはやいくら語って語り尽くせない怪獣映画の金字塔、絶対的オリジナル、これを超える怪獣映画はいくら技術が進歩しようともはや作れないと思います。
しかしこのゴジラ第一作をいつまでも御本尊の様に崇め奉るのは間違いではないでしょうか。
これ以後の全てのゴジラ映画は「初代ゴジラ」の存在の上に成立していて、これ以後の事実上全てのゴジラである「二代目ゴジラ」とこの1作目の「ゴジラ」の間には完全なる断絶がある。
『ゴジラ』以降の途中の全作品を「ナシ」にする事はあっても『ゴジラ』は必ず存在していて、初めて『ゴジラ』を「ナシ」にしたのが『シン・ゴジラ』でした。
なのでここら辺で一発、現在の最新技術をフル動員した『ゴジラ』の直接的な続編を作って欲しいです。
現在の街並みに合わせた100メートル超えのゴジラではなく『ゴジラ』の50メートルサイズの同一個体、初代の着ぐるみのゴジラをCGで完全再現して。
続編でありスケールアップリメイク、『死霊のはらわた』に対する『死霊のはらわた2』みたいな。

妄想勝手映画『ゴジラ:||』を夢見つつ...
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