Iri17

ゴジラのIri17のレビュー・感想・評価

ゴジラ(1954年製作の映画)
5.0
これはただの怪獣映画ではない。ゴジラは水爆のメタファーとして登場する。唯一の核被爆国でありながら、経済発展とともに核の悲惨さを忘れ、その傘の庇護を受けようとしている日本人への警告と怒りとしてゴジラは象徴的に描かれているのではないか?
多くの犠牲者たちの叫びがゴジラを呼び覚ましたのてはないか?
皆さんは覚えてますか?『シン・ゴジラ』のラストシーンに描かれていたものを。

ゴジラに集約された叫びは、次世代の芹澤博士の勇気と責任を取ったことによって鎮めることが出来た。だが山根博士は第二、第三のゴジラは現れると言う。僕たちは核の恐ろしさと犠牲を忘れてはならないのだ。

『シン・ゴジラ』は今作が核のメタファーとして描いたゴジラをポスト3.11として描いている。他人事でも過去の話でもない。核爆弾は無くなっていないし、東京五輪で熱狂するなかでも3.11の残した爪痕は全く解決していない。
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