爆裂BOX

テキサス・チェーンキラー ビギニングの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.2
ヒッチハイクで放浪の旅に出た元軍人のトレヴァーは、テキサス州のホーボ―ケンに辿り着く。そこで彼を待ち受けていたのは、流れ者を誘い込み拷問を加え、脱走者は容赦なく殺す非情な農場主だった…というストーリー。
「テキサス・チェーンソービギニング」と間違わせてレンタルさせようとする気満々の確信犯的なタイトルつけられた実話を題材にした田舎ホラーです。
ヒッチハイクでLAを目指し旅を続ける元軍人のトレヴァーは、ヒッチハイクした車の運転手に連れていかれた牧場で監禁されることに。そこは不法労働者や流れ者を連れ込んで過酷な労働をさせ、逆らったり脱走した者は拷問を行ったり絞首刑にする恐るべき牧場だった、という内容です。
メイキングでも実話を忠実に再現したと語っていますが、そのせいか怖さはなく淡々として地味に感じましたね。何か再現ドラマのような感じで。「実話を基にした」くらいで過剰演出入れた方がホラーとしては良かった気がするな。
切断した腕を細切れにしてスモークジャーキーにしたり、四肢を縛った犠牲者をロープで天井に吊り上げて、天井に設置した杭に胸貫かせたりとグロ描写も有ります。労働者がいなくなって、燻製小屋見て見たら吊り下げられてるジャーキーにいなくなった男のタトゥー見つけるシーンはいい感じでしたね。
ジャケットで中心にいる故デニス・ホッパーは保安官役でチョイチョイしか出てこないカメオ出演ですね。マイケル・マドセンは牧場のある土地を狙って、牧場主の母親に交渉したり、弱みを握ろうと秘密を探る地上げ屋でこちらもカメオ出演です。それでも両名とも存在感あるのは流石。C・トーマス・ハウエルは犯人一家の一人で常に小汚い格好したレッドネック演じてます。拷問とか処刑楽しみながら、裏では金目当てにマドセンとも通じてる中々に卑劣な役でした。マドセンの交渉に頑として応じない母親役でリン・シェイがこちらも出演シーンはわずかながら結構重要な役で出てます。後、グレッグ・エヴィガンがマドセンの弁護士役で出てます。
主人公トレヴァーが連れてこられるのは中盤過ぎくらいで、それまでは先に連れてこられた労働者たちの過酷な日々が描かれています。どっちかというとドイツから来てヒッチハイク中に捕まった人が主人公ぽかったな。過酷な労働させられるとは言え、汚い納屋みたいなとこでも寝る所があって、食事も出るってことで前からいる労働者は状況に甘んじている所は面白かったな。まあ、野宿よりはましか。逃げたり反抗しなけりゃ拷問されたり殺されないし。
牧場主一家の如何にも田舎の底辺労働者といった小汚い風貌と憎らしさ一杯の言動は良かったですね。全員血が繋がってるという訳じゃなくて奴隷たちへの拷問などで繋がって絆を強くしてる関係性も面白い。労働者たちを調達する係の男は扱いが一番低いのも元連れてこられた側だったのかな。皆にバカだと言われてる太ったオッサンがレザーフェイス的な立ち位置かな?拷問や解体主に行うし。裏切り者のC・トーマス・ハウエル相手に豹変する所ちょっと迫力ありました。
終盤で勝手に飯独り占めした男を拷問する所は、拷問と言っても電気ショック繰り返して小便かけたりする地味な所が却ってリアルに感じましたね。楽しそうにみんなで拷問する所や、他の労働者も飯食われたことで腹立ててて結構手伝う所嫌~な感じが出てて良かったです。
トレヴァーの脱出劇はそれなりにハラハラできました。
ラストでリン・シェイが見せる表情は流石!という感じでした。後、時々はいるナレーションがアイツだったとは。最後のテロップも無常感感じさせて良いですね。警察何やってんだよ。
淡々としてて盛り上がりに欠ける所はありますが、グロ描写もあってこういう「悪魔のいけにえ」系の作品好きな人は期待しなければ楽しめるんじゃないでしょうか。