こえ

オール・ザ・キングスメンのこえのレビュー・感想・評価

オール・ザ・キングスメン(2006年製作の映画)
2.8
ショーン・ペンが見たくて観たけど、この役の彼はそうでもなかった。
役というのは郡の元出納係で、汚職を摘発してけっきょく職を追われた男。しかし政治的野望を捨てきれない彼にある男がやってきて、州知事に立候補するという話を持ちかけられる。でもその途中で、それは票を割るための工作だったと気づく。だがしかし、それで逆に彼は…!(そうでもなかったと書いたけど、候補として演説する彼はやはりすごい演技だった)
映画冒頭は州知事のショーン・ペンがどこかの屋敷に突入(?)する場面で、そのすぐ後に5年前の回想があってそれが今書いた話なんだけど、その冒頭からして不穏な雰囲気で、彼が真っ当な州知事には見えなかった。だから、回想シーンでも彼がなにか裏のあるくわせ者にばかり見えて、政治的野心に燃える若者という印象がなくて、ちょっとそこは映画で伝えたかったところとはずれたかもしれない。
でも基本的には、州知事の彼は成り上がりの田舎の男で、映画の後半は自身の汚職を追求させないための工作をあれこれと仕掛けるというところ。
そんな彼への眼として、ジュード・ロウ演じる元新聞記者(今は州知事の側近)の眼がある。彼は州知事を汚いやつだとは見ていなくて、あくまで人間としての興味の眼があるように思えた。この映画についてちょっと調べたところ、同じ原作が49年に作られているようで、そっちは権力欲にまみれた男の悲劇として描かれているみたい。だから06年のこの作品はそれとは印象が違うかもしれない。
映画としては別に好みのものではないし、ウームと唸るものではあったけど、星をつけるなら2.8でした。
あと、観ている間ずっとトランプ大統領のことが頭から離れなかった。彼もこうならなければいいけど。
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