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こっぴどい猫のCinemanのレビュー・感想・評価

こっぴどい猫(2012年製作の映画)
4.0
【Prologue&Story】
代表作「その無垢な猫」で知られる作家の高田則文は、妻に先立たれてから一切小説を書いていなかったが、それでも日々を平和に過ごしていた。しかし、行きつけのスナックのママが企画してくれた60歳の誕生パーティが迫ったある日、則文は「奥さんがいる人とばかりつきあってしまう」という訳ありの美女・小夜と出会う。小夜の恋愛相談にのることになった則文は、小夜の家を訪れるが……。(映画.comより)
https://onl.tw/LPyvFrw

【Trivia & Topics】
*総勢15人の男女が繰り広げる7つの三角関係を描いた恋愛群像劇。
人間関係がややこしくて図解しないと人には説明できない。
ややこしくめんどくさくて嘘ばっかりな大人の恋物語がくんずほぐれつして全貌が見渡しにくくてもとても楽しめる作品だ。

*《モト冬樹生誕60周年》って何なの?
おそらく世の中には《モト冬樹生誕60周年》というクレジットにいかがわしさを感じてパスする人と怖いもの見たさで観てしまったワタシのような人に別れると思う。

*冒頭三人のシーンを見て直感的にこの映画はいけそうだと感じた。
っが、
その後がのらりくらり。
外したかなと思った9分近くの小さなバーのシーンあたりからこの作品はがぜん面白くなってくる。
魔女が登場したからだ。
否、
そのシーンでは小夜は暗い目立たない女だったのに物語がすすむにつれてちょっと面白い女だな〜と思わせたと思ったら、あ!可愛い、どころか美人!に変わる。
挙げ句この女は魔女なんだとビックリした。

小夜を演じるのは小宮一葉という女優さん。
彼女の演技力なのかメイクさんが見事なのか監督の撮り方による七変化なのか分からないけれどこの変化はスゴイ。
小夜がピアノで弾いたバッハの演奏が良かったので誰が弾いたのかと調べたら東京音楽大学ピアノ科卒業の小宮一葉本人が弾いているということを知りまたまたビックリ。

*一人の魔女をめぐる映画。
この作品は一人の魔女をめぐって浮気不倫片思い嫉妬思い込みが万華鏡のようにきらめき絡みつく作品なのだ。
ラストシーンの見事な裏切りにはうまい!と唸ってしまった。
今泉力哉監督はいいね。

【5 star rating】 ☆☆☆☆

☆印の意味。
☆☆☆☆☆:見事な作品
☆☆☆☆ :面白い作品
☆☆☆  :平凡な作品
☆☆   :残念な作品
☆    :退屈な作品
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