KARIN

ぐるりのこと。のKARINのレビュー・感想・評価

ぐるりのこと。(2008年製作の映画)
4.0
優しくて、不器用で、この世界を「生きづらい」と感じる人々のための応援歌。

生きづらいことは負けていることじゃない。
豊かな感性と、人生に多くのことを学んでいる証拠だ。
そしていつかのつらさは周りの誰かを救い、幸せにする。

素晴らしい名優たちの演技と、身体の奥まですぅっと入っていく言葉に彩られて、自然と涙が溢れ出ました。

悲しさと理不尽さと、どうしても考えの相知れない人々。

だけど「心」を持っている人たちが共鳴し、その人たちにしか見えない秘密のメッセージのやりとりをして支え合う。
その様子がお茶目でちょっぴり滑稽。そして悲しくて優しい。
そうやって人は進み、時間は経っていく。

こんな感情を2時間ちょっとの間ですべて体験して、エンドロール観ながらアレ?この映画って人生そのものじゃないか…って放心状態になる。

観ているぶんにはスロー。振り返ってみると凝縮された人生がぎっしり詰まってる。そんな不思議な映画です。
KARIN

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