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ぐるりのこと。のYarrttのレビュー・感想・評価

ぐるりのこと。(2008年製作の映画)
3.5
退屈な長回しも感情に対する色彩の付与も、不思議と胡散臭くなく、名匠の風格すら漂う橋口亮輔作品。

同僚との口論の後に翔子(木村多江)の顔に反射する電車の赤と轟音。
若冲と改めて出会ってから行く画材屋の絵の具の色々。
単純な表現の中ではあるが、彼女の人生に色が射す。


カナオ(リリー・フランキー)は法廷画家という目線を通してその時代の暗雲立ち込めるとでもいうか、鬱屈とした雰囲気を良く描いている。
移りゆく人々の情念を眺める中で、私とあなたは無関係だと思っていたのが、実はぐるりと回って関わり合っていたこと。
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