ジョー

ぐるりのこと。のジョーのレビュー・感想・評価

ぐるりのこと。(2008年製作の映画)
4.2
17.11.06

とても平凡だけど、素敵な映画でした。木村多江さんとリリーさんの夫婦生活と共に、悲したり、喜んだり、笑ったり、感動したり、そういう映画でした。

バブルの後の90年代の日本、何にか混沌しているような感じしている。それを裁判の中に、それぞれの案件でうまく表現していた。逆に、阪神大地震や台風など、自然災害が新聞の一ページで簡単にしか絵描いていない。多分、橋口さんの中に、自然より人からの災害がより重要だった。そんな日本の90代でした。

でも、それは全部あくまで「ぐるりのこと」でした。周りの人や、いかに変わっても、変わらなくも、自分たちの目の前の生活が一番かな。上手く言えないけど、周りの空気に圧迫され続けるとやはり人は壊れてしまう。しょうこさんは幸い、金尾さんがそばにいました。自分の息子の名前を「元気」とつけるぐらい、元気が欲しかった時代でも、無理に元気しなくてよかった。私も元気がない人のほうが好き。

最後、やはり木村多江さんとリリーさんの演技に拍手したい。幸せってなんだろう、愛はなんだろうと教えてくれたような、くれなかったような、素敵な時間でした。同じ恋愛映画だが、「君の名は」とか、「ラ・ラ・ランド」とか熱量の愛情より、こっちのほうが自分の中10倍ぐらいいいかな。
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