なんか、不思議な余韻が残る、いい映画体験でした。
幼少期の父に植え付けられたトラウマ。バシャバシャと手で水を掴んで、水面に這い上がろうとする。しかし、子どもの体は水底へと沈んでいく。
彼は工場でインク係をしている。トラウマを持ったまま大人になってしまった彼は実に冴えない人生を送っていた。車を道路に停めていると、何かに追いかけられている女。見知らぬ女は、何食わぬ顔で車に乗り込むと走ってと言うのだった。
彼女との出会いは最初こそ良かったものの、子供を産んでから変貌していく。家に帰ってこなくなり、夜遊びを続ける彼女。しまいには、子供を売り出そうと攫っていく。逃走した車は、水の中に沈み、子供は運良く助かった。
前半の女との出会いのシーンから別れまでのシーンがめちゃくちゃスピーディに感じた。そこから移り住んだ島での生活は反してゆったりと流れる。
次第に明かされていく事実。傷ついた主人公の心の回復が画面を通して伝わってくる。