わさびのり

es [エス]のわさびのりのレビュー・感想・評価

es [エス](2001年製作の映画)
4.0
「模擬刑務所で被験者たちを看守役と囚人役に分け、その心理状態を調べる」という実験が行われるが、囚人たちを屈服させようとする看守たちの行動が次第にエスカレートしていき、やがて事件が起きる…。

最初は同じ被験者仲間なのに、役を与えられ対立構造ができていく。
反抗的な囚人を前に、(看守に逆らう奴は許さない。言ってわからばければ力でわからせよう)と、次第に行動が暴力的になっていく。
このへんの「エスカレートしていく暴力」に至る過程は本当に恐ろしい😫
本来なら働くはずの理性が「看守」という役のため片隅に追いやられてしまう。
現実社会でも些細な理由で簡単にリンチ事件やネットでの吊し上げが起きてしまうだけに、映画の中にとどまらない現実的な怖さがあった。

……にしても、引っかかるのは囚人77号のタレクよ😩
潜入記事を書こうとしているから囚人役をやる気がなく、むしろ看守側を煽っていく。
看守が暴力的になる責任の一端はタレクにもあっただろう。
なのに最後、自分は女と海辺でアンニュイに過ごしているのどうなんだ😬
…そこはどうにも納得いかなかった😗
わさびのり

わさびのり