ウェルテル

シベールの日曜日のウェルテルのレビュー・感想・評価

シベールの日曜日(1962年製作の映画)
4.7
なるほど、名前は本来箱に入っているべきものなんだな。本当に大事な人にだけその箱を開けてもらう。この映画みたいに、名前を知る、ということが相手の全てを受容する最終地点だとしたら、まず名を名乗ることというのは、最初から記号の枠組みに陥れる行為に他ならない。
そう考えると、援助交際の見方が変わってくる。ラブ&ポップでマスカット親父が言っていた言葉。自分で考えた名前、それは君の名前に他ならないんだよ。これはマスカット親父の中でJKを自分の中の記号の枠組みに入れたがること。
他方、浅野はこう言った。
人に名前を簡単には教えちゃいけないんだ。これは大事な人以外には名前を教えてはいけないというこの映画を踏襲したもので、それが援助交際という匿名性、JKという記号性と掛け合わせているとしたら村上龍はとんでも無いぞ。
ウェルテル

ウェルテル