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ALWAYS 三丁目の夕日のERIのレビュー・感想・評価

ALWAYS 三丁目の夕日(2005年製作の映画)
3.9
なるほど。こりゃ人気があるわけだ!2005年公開時から大絶賛だったのは知っていたし、日本アカデミー賞総ナメなの観ていたのだけど、なんだか映画は見ずまま、内容も昭和の話ぐらいのうっすい知識でした。

なんだか急にALWAYS が観たくなって鑑賞。

冒頭、ラジオの音量を調整する薬師丸ひろ子さんと、彼女の素敵声で叱る「まだ来ないって!」(きゅんすぎる)にぐっとやられ、その一声をスイッチにリアルな昭和の世界観にグッと引き込まれる。そこからまるで自分もこの昭和33年の東京の下町にいるよう。

売れない小説家の茶川竜之介はいつも賞に投稿しては落選して酔っ払いうだうだ言ってる。そんな吉岡秀隆さんが漫画みたいで好き。そして竜之介のおウチにひょんなことから引き取られることになった古川淳之介。淳之介を演じる須賀健太くんの、茶川竜之介を憧れの眼差しでみる表情もたまらない。

あぁ開始45分。ろくちゃんと鈴木オートの大きな喧嘩とその後のごめんなさいにボロボロ泣いてしまった。鈴木オートの息子の一平がいっちょ前で可愛いんだよ。

輪ゴムプロペラを巻いて飛ばす飛行機のおもちゃやでっかい氷で冷ます木製冷蔵庫。スカばっかりの駄菓子。帰ってきてすぐなげつけるランドセル。「ただいま!いってきます!」で駆け回る子供たち。胸が熱くなる。不便だし泥んこなんだけど幸せがたっぷりだ。

今の時代よりうんと小さいブラウン管のテレビに近所中が集まって、お家の中がぎゅうぎゅう。みんなで画面をのぞいてプロレスを応援する。なんていい時代だ。

淳之介が高円寺まで都電に乗って一平と二人お母さんに会いに行く。結局会えずに終わるのだけどこの小さな大冒険は二人を大人にしてゆく。あの橋の上で雨の中二人で泣いたこと。大切な時間。

はじめてサンタクロースに会った顔。もう、泣く。ずっとずっと欲しかった万年筆。僕の万年筆を見てニンマリする淳之介に、茶川の幸せがあって。あぁ、泣く。本当の淳之介の父親が迎えにきて、だけど淳之介は茶川を選んで二人手を繋いで帰る帰り道。

いろんな家族がある。みんなが寄り添って暮らす家がある。東京タワーと街中を染めるオレンジ。
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