ないで

しあわせの雨傘のないでのレビュー・感想・評価

しあわせの雨傘(2010年製作の映画)
4.6
1970年代のフランスの地方都市。おっとり優雅に暮らしていたブルジョワマダムのスザンヌは、従業員と衝突して休養を余儀なくされた夫の代わりに父の代から続く雨傘工場の経営改革に乗り出す。その影には、今は市長となっている元労組ババンとの秘めた恋があった・・・

カトリーヌ・ドヌーヴ演じるスザンヌが赤いジャージで優雅にジョギングしているオープニングからもうワクワクが止まらず、オーロラ姫みたいに森の小動物と会話するシーンで完全にノックアウト。ここから先、どんな展開になってもついて行きます!と大興奮。

オゾン監督の大女優カトリーヌ・ドヌーヴの活かし方が本当に上手くて、監督のおかげで『8人の女たち』以降大好きな女優さんになりました。単なる飾り壺(トロフィーワイフ)かと思ったら、中身もたっぷり詰まっていたっていうストーリーに、散々男の妄想を演じてきた女優歴をユーモラスに絡めてみせる巧みさよ。

ラスト、市長選に立候補したのに議員に当選した展開にはて?となったのですが、フランスの地方選挙では住民投票で議員を選出して、議員投票で首長を選ぶという仕組みなんですね。彼女が市長の座をババンと争うのはこれから。最後の集会シーンにはちょっと危うい雰囲気も感じましたが、ババンも彼女の歌声にうっとりしてたし、いいか!
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