【今の目で見ると】
BS録画にて。
豪華キャストを揃えたフィルム・ノワールという触れ込みだけれど、今の目で見て本当に面白いのか疑問。
犯罪の輪郭がはっきり見えてくるまでが長すぎるし、見えてきてからも展開ももう一つ。
逆にラストの展開はすごく簡単。
宝石店への侵入は事細かに描かれているが、肝心の盗品の売りさばきルートについては案外杜撰。というか、侵入の手口の細かさに比して、人間関係が安易に設定されているのだ。
俳優の存在感はあるし映像のイメージ面でも悪くないのだが、脚本がゆるめ、という結論になろう。
それで観客を感心させられた時代だった、ということかも知れないね。
でも、アラン・ドロン全盛期から半世紀を過ぎた今の観客を十分に納得させる映画になっているかというと、そうじゃないと思うな。
それにしても、この邦題、もうちょっと何とかならなかったのかなあ。