法廷ものと知らず鑑賞。ちょうど落下の解剖学を近々で観たばかりだったので、なんとなく縁のようなものを感じた。
100分近い映画のうち、ほとんどが一室という空間で完結する胆力ある作品。十二人もいると人の判別がつかないのではないかと危惧していたが、喧々諤々のうちに曲者ぞろいのバックグラウンドが垣間見えて来て、会話劇の妙を感じた。
既存の証言を一つ一つ再検証することでより客観的な結論を獲得していく様が、ともすれば予定調和的な結末ではないかという疑念の余地を与えない。
結論が出て部屋を出た後に、十二人のうちの二名がそれぞれの名を名乗り、ただそれだけでまた別れていくのが妙に爽やかだった。