Saki

十二人の怒れる男のSakiのネタバレレビュー・内容・結末

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

大好きなクリストファー・ノーラン監督が影響を受けた10の映画の1つとして挙げたこの映画。観たいと思っていたが、なかなか観れず。そんなとき、なんと教授がBlu-rayを買ってゼミ室に置いてくれるという奇跡が!!なんにも言ってないのに!!すぐ借りた!(笑)

とにかく面白い。画面はほとんど12人のおじさんが討論してるだけだから、一見つまらなそうに見えるんだけれど、大間違い!グイグイ惹き付けられて目が離せない。

討論を始める前の時点で、なんとなくキャラクターの性格が分かってくる。最後まで有罪を貫いた男性は序盤で「今回の裁判はつまらなかったよ。もう何回も陪審員を務めているからね」と既に'全てを知っている'かのような態度。これが偏見の塊であること、そして自分の意見しか見えていない、自分が優位に立っていたい人間であることを暗示している。こういう人間が個人を攻撃したがる性質あるってところもしっかり描写されてて、「わかる~!人間ってこうなりがち~!!」と激しく頷いた。(私がそういうタイプだから、傾向とか似てて、くぅ~!となる。マジでナオシタイ。)
実は、途中まで、彼が最初に無罪に転じるかなぁと思っちゃっていました。息子との写真を眺めるシーンがかなり長かったので、自分と事件の親子を重ね合わせることで間違いに気づいたのでは、と。結果的にこれは伏線だったわけなんだけれど😅 裏切られた~!

登場人物が本当に様々で、リアル。国は違えど、人間の中身は似ているもんだなぁ…。やっぱり印象的なのは、間違いを認められる人と認められない人の描写。私は認めたくない人(笑) ナオシタイ…😭

討論を始めた時はたった一人が被告のことを考え、他の11人は自分のことしか見えていなかった。でも、議論が進むにつれて、事件に疑問を持っていく中でその疑問が自分たちの姿勢にも向けられていったのかなぁ、、。

観客は裁判の内容とか事件の詳細を全く知らずにこの討論に放り込まれるんだけど、わからないからこそセリフの一つ一つに注意を払うし、そうやって集中してしまうことも、この映画に引き込まれる要因の1つなのかしら。話は決して難しくないのに、とにかく頭を使っていたような気がする。

え、え、この映画、全シーンに素晴らしいテクニックとか人間の心理とかが散りばめられてて、レビュー書く手が止まらん…!!!!とにかく無駄が全くない、どこを切り取っても必ず語るべき何かがある、傑作どころじゃない映画じゃないか…!!!!レポートにした方が良さそう、そうしよ(笑)
Saki

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