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魂萌え!のmiporingoのレビュー・感想・評価

魂萌え!(2006年製作の映画)
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妻風吹ジュンは定年を迎えた夫寺尾聡とこれまで専業主婦として平凡に暮らしてきたけれど、そのあいだに無自覚に多くのものをしまいこんで抑えこんで、蓋をしてきてしまっていて、脳こうそくで急に夫が死んでしまって、いきなりさまざまな困難が降りかかってくる中で、「自分のアイデンティティって何?」ってなって、自分探しが始まるという話。クズなのは夫なのに、三田佳子愛人が見苦しい描き方されているのがちょっと嫌で、自分探しの中で、出会っちゃった男がまたクズで、落としどころを男にするのはやめておいた方がいいという教訓なのかもしれないけど、とりあえず突き抜けるきっかけにはなったみたいで、わたしの中ではギリギリ許せたかな。ここは風吹ジュンがちゃんと気づいて踵を返したのがよかった。加藤晴子とトヨエツのエピソードは、風吹ジュンの人柄の良さが滲み出ていて好き。おせっかいであってもこんなふうに人と関われるってじつはちっとも平凡じゃなくて、こういうところは彼女のじつはすごいところなんだと思わせる。さいごの映写機で『ひまわり』上映するところは原作にはないらしいんだけど、とてもよかったので、『魂萌え』の原作読みたいよりも『ひまわり』観たいモードになってしまった。
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