【アンチ・ヒューマンな映画】
松本清張原作、野村芳太郎監督、1978年の映画。
妻と二人で印刷屋を営む男(緒形拳)は、こっそり別の女(小川真由美)とのあいだに三人の子供を設けていた。 しかし印刷の仕事が左前になって収入が減り、女にカネを渡すことができなくなったため、女は子供を連れて怒鳴り込み、喧嘩の挙げ句に子供を置いたまま姿を消してしまう。
妻(岩下志麻)は激怒。こんな子供の面倒など見ないと言われた男は、最初は自分で何とか育児をと思うが、やがて疲れ果て、また妻のそそのかしもあって、何とか子供たちを・・・と考えるようになり、そして・・・。
どうにもやりきれない気持ちになる映画。緒形拳のダメ男ぶり、岩下志麻の鬼継母ぶりが実にハマっているので、なおさら。
こういうアンチヒューマンな映画、今どきの監督にはなかなか作れないだろうなあ。