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ガッジョ・ディーロのkurageのネタバレレビュー・内容・結末

ガッジョ・ディーロ(1997年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

亡き父が好きだったロマ(ジプシー)の歌手を探しにルーマニアやってきたフランス人青年が酔っ払いのロマのお爺さんと出会い、ロマの居留地に滞在。青年は、言葉が通じないなかで日常を共にし、彼らが差別されていることを体感していく。
旅人らしく、無邪気に居留地に馴染んでいく青年は、亡き父のようにロマの歌を録音・採集する。彼らの歌の背景にある内容を体感として知ってしまった彼が最後にとる行動は......!

冒頭、靴に穴の空いた、明らかに長旅をしている若者が雪道を歩くシーンに惹きつけられる。
ガッジョ•ディーロとは、ロマ語で『愚かなよそ者』という意味らしい。
ロマの歴史や文化を知ったらなかなか行けるところではない気がするけれど、若くて無知なうちだから(先方にも)許されることでもあるのだろう。
とはいえ、年齢関係なく「愚かさ」を乗り越えたところから始まる自分への理解と気づきは、自分自身への信頼を育てる第一歩に繋がるような気がするなと観終わったあとに思った。青年の未来に幸あれ。
ラストシーン、青年が恋したロマの女性の微笑はなんともいえない表情。自分はあまりにも哀しくて、感情の置き場に困ってしまった。結構リアルな物語なんじゃないかと思う。
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