Jeffrey

名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)のJeffreyのレビュー・感想・評価

3.0
「名探偵コナン 沈黙の15分」

本作は2011年に公開された劇場版第15作目で、この作品は19歳になる年の春に劇場で見に行ったこと覚えている。本作は戦慄の楽譜より約2年ぶりに黒の組織や怪盗キッドが関わらなかった通常運転の作品で、コナンが危険な目に遭い毛利蘭が心配すると言う立場になる作品である。山本泰一郎が(総監督)を勤めて静野孔文が監督を務めた作品でもある。静野は後に劇場版のコナンを何本も手がけることになる。それでも確か監督が2人で制作したのは迷宮のクロスロードの時にもあったから珍しいことではないがおおよそ8年ぶりになるのだろう。そして春に公開されることが定番だった劇場版の作品の中身の内容が真冬と言うのも今回が初めてだろう。山本は次回作の11番目のストライカーで改めて監督を務めている。

この作品は瞳の中の暗殺者の記憶喪失(本作の場合は意識不明のまま8年昏睡状態になっていると言うのもある)とベイカーストリートの亡霊の大人が子供を追い詰めてしまうと言う複雑な心境が再度描かれている。舞台は新潟県になっており、この作品で今回は黒部ダムが写し出されており、それが今回の危険ポイントになっている。この年は東日本大震災が起きた年でもあるため、公開が危ぶまれたがきちんと公開されたのはファンにとっては良かったが確か舞台挨拶は中止になってしまったと記憶している。何といっても15周年記念の作品だったので。この作品の画期的なところはオープニングの工藤新一の紹介をやる前にコナンが初登場して大爆発をすると言う展開を素早く見せているところだ。それにしてもトンネルの中をスケボーで逆送するとか前代未聞。超人を超えている。オリンピック選手になれる。

それにしてもこんな大掛かりな見せ場をいきなり見せるとは太っ腹だなと思った。列車の脱線事故が高速道路にまで飛び出すなんてかなり凄いことだ。当時、いきなりこのような描写を見せられた分期待をしたのだが、結果は普通だったんだよな自分的に。あまりにもスピード感があった冒頭と中盤そして終盤がそこまで展開が早いものがなかったのが個人的には残念だった。それにタイトルに数字の15がつく分、色々と数字を連呼する場面だったり、物語を進めるために違和感のある発言や対立があるのも逆効果な感じがした。今回の音楽担当は歴代1位になった倉木麻衣とZARDを越えてB'z「Don't Wanna Lie」が4回目のオファーになっていることも忘れがたい。

本編で毛利蘭が工藤新一にお土産何がいいと伝えるところで、雪にお土産の名前を書いてしまったコナンが消し忘れて毛利蘭にその文字を見つけられてしまう場面があるのだが、その前に少年探偵団がログハウスから雪山に出ていって、コナンがそいつらに会おうとして、毛利蘭との電話を強制的に止めるところを見ると少し冷たいなと感じてしまった。ま、いつも一緒にいるからそういう感覚なんだろうけど、蘭からしたらそうでは無いからな…。そしてスノーモービルをダメにしてしまって光彦がげんたくんを怒ったりするのだが、2人が喧嘩する間にコナンが言葉は刃物なんだとくさい芝居で説明するところは人によってはうざいだろ。そしてクライマックスのダム崩壊するところからコナンらしい迫力満点の演出が盛んになっていく。コナンのスノーボールテクニックはあまりにも上手すぎて笑える。それにしてもCGの迫力が結構ある。あの樹海の滑らかに滑る場面。それと劇場版の中で1番コナンが悔しがってくそくそくそと連発する映画でもある。
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