たちばな

告白のたちばなのレビュー・感想・評価

告白(2010年製作の映画)
4.8
久しぶりにもう1回観た。
こんなに凄かったっけと思ってスコア更新。
映画の序盤で事件のカラクリがほとんど明かされてしまうから、この後どう展開するの?と思ったら、、
こんなに早い106分はないな。
それぞれの視点で語られる告白。
どの登場人物も完全な善人ではなく、どこかひねくれていて、醜い部分があって、でもどこかに弱くて人間らしい部分を持っているから、感情移入してしまう。
事件の真相は割とシンプルなのに、それぞれに抱える複雑な思いが交錯し合って様々な事件が起きるのは、見ていて胸が抉られる気持ち。
話は結構エグいけど音楽と映像の使い方が上手くて芸術品みたいな映画。
原作もすごくいいんだろうけど、映画としてここまでのクオリティを造れるのは脱帽。
松たか子はじめ、役者陣の演技もさることながら。
命の大切さって、綺麗事を並べるよりも、こういう映画見たほうが自分なりにいろいろ考えさせられていいのかも。
誰もが誰かにとって大切な存在で、誰にも大切に思う誰かがいるんだなと思った。
それと同時に、ウェルテルみたいに大勢の人を同じように大事にして全員と関係性を築くことなんてきっとほとんど不可能で、そんなのは絵空事、
実際の世界では、何にも誰にも代えられない特別な誰かを大事に思って、それだけを守るために生きてる、それが本当の人間の在り方だよなぁと思った。