【逆回し時計】
この国には、様々な[擁護]がある。
ありすぎるほど…。
平和なこの国だからこそ、その人にふさわしい[法の擁護]がある。その擁護には、人々の気持ちを楽にさせるように作られ、人々の[道]を正しい所へ導く。
だが、そこには、あるものが欠けている。それは、[線引きの度合い]である。
たとえ、その擁護に[相応しくない者]まで、適用されてしまうのだ。恐ろしい話である…。
その一つが、[少年法]である。
この少年法、何とも恐ろしいのは、重い犯罪を犯した児童を、[野放し]にしてしまうのである。
殺し、盗み、強迫…何でも許される…。
だが、許されない。本作は、そんな[間違った価値観]を、心から折る作品になっている。
「来る」が公開されている、[中島監督]は、本作で世界中に注目された。
[被害者・加害者・それに関わる者]の、[告白]が本作で、描かれている。
途中、観客を和ませるような演出をしているが、すぐに[現実に吸い込ませている]。
思わず、[凝視]して観てしまった。
そして、あの[逆回し時計]、あの登場は深かったし、本作のテーマ性を一気に引っ張ってくれた。
命は、重い。だが、そう思っていない奴もいる。
この作品は、[命はどう重いのか?]を、[決して伏せず]に伝えきれた、そんな作品だった。