魯肉飯

トリコロール/赤の愛の魯肉飯のレビュー・感想・評価

トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)
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映画だ…!って気分になる映画だ。色んな愛のかたちがあるし、時とともに変容していくよね。
改めて考えると電話やネットって途方もない距離でも線を張り巡らすことで繋がれるんだから本当にすごいよなと。瓶のゴミ箱の三者三様な反応も良かった。
眩い大きな光線が部屋いっぱいに入り込み新たな世界が広がる。機械的・事務的な音声の交換や傍聴ではなく、空気を震わせ考えを吐露することによる変化が生じる。まるで保守派とリベラル派の意見の対立。
自分が犯した過ちに気づき公にすること、山に沈んでいく微かな夕陽の小さな美しさ。
今までのすれ違いと過去と夢、暗示が畳み掛けのように幾重にも重なる。人生が逆行したかのように思えても、厭世と楽観が結びつけば予定調和は崩せるしその先に進める。
メラメラと煌めく情熱は博愛だ。ガラスが割れ電球が切れ嵐に打たれても、思う気持ちという存在があるだけでその熱は冷めない。
キェシロフスキが手掛けた神曲の3部作も観てみたかったな。
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