ポルりん

GODZILLA ゴジラのポルりんのレビュー・感想・評価

GODZILLA ゴジラ(1998年製作の映画)
2.0
とある議員は日本中の薄毛や抜け毛に悩む人々を敵に回したが、こちらは全世界のゴジラファンを敵に回した作品。

あらすじ

タヒチ沖で海難事故が続発する一方、パナマの丘陵地帯で巨大な足跡が発見される。
調査にあたった生物学者ニックは、これが核実験の影響で誕生した新種の巨大生物ではないかと推測。
長雨に曝されていたニューヨークへ突如、その生物-ゴジラ-が現れた。


本作を初めて鑑賞したのは小学生の時で、かなり満足して観る事が出来た事を覚えている。
周りの友達もゴジラのデザインや装甲については否定的な意見が多かったが、大半は私と同じく満足度がかなり高かった。
それから大学時代まで本作を面白いと思っていたのだが、レンタル屋で本作を発見し友達と一緒に鑑賞して落胆してしまった。
小学生の時のような満足度は無く、寧ろつまらないとさえ感じた。
そして現在、フォロワーの方が本作に関して興味深いレビューをしていたので3度目の鑑賞に至った。

まず、ゴジラが出現する前半30分くらいまではかなり良いと思う。
怪獣映画は、怪獣の出現までの流れが非常に重要であり、ここで視聴者が興味を引くような登場の仕方をすると映画に引き込まれるし、これがダメだと最後まで退屈に感じてしまう事が多い。
本作の場合はその点では、サイズが尋常ではない足跡や漁船の引っ掻き傷などを見せ、ゴジラの姿は一切見せないのに視覚的にその凄さを感じ取る事が出来る。
更に桟橋でおじいちゃんが釣りをしている際に、多分ゴジラが釣り針に引っ掛かってしまい、桟橋を破壊しながら逃げ惑うおじいちゃんに襲い掛かって来るシーンは最高である。
因みに隣で鑑賞していた妻は、「何で吊り橋にいっぱい機雷がセットされてるのww」と破壊王の演出を爆笑していた。
ついでにこのシーンと似たような演出を「FF8」でしている。

マンハッタン島に登場してからもうまくスケール感を出していたし、高層ビルの谷間を軍用ヘリが縫うように追うシークエンスは素晴らしい。
また、日本のゴジラなら知名度の高い建造物をゴジラなどの怪獣が破壊しているのだが、本作の場合は米国軍が破壊しているので違った意味で皮肉が込められており清々しく感じる事が出来る。
基本的にゴジラはCG画面が多いが、場面によっては着ぐるみやアニマトロニクスを使ったり、ミニチュア撮影したりと上手く演出している部分もある。

一部の演出については評価できるのだが、正直不満に思う事も多い。
その中でも一番不満に思ったのは、これだけの優秀なスタッフがいるにも関わらず、何故ゴジラ映画を作らなかったという事だ。
デザインがゴジラのイメージからあまりにもかけ離れ過ぎてし、設定を巨大なイグアナといった現実に存在する生物に寄り過ぎてるから怪獣というより恐竜にしか見えない。

てか、イグアナってなんだよ ( ゚Д゚)ドルァ!!
イグアナが何でマグロ食うんだよ ( ゚Д゚)ヴォケ!!
草食動物じゃねーのかよ ( ゚Д゚)ヴァカ!!
アメリカのせいでゴジラが誕生したのに、フランスの核実験って責任転嫁してんじゃねーよ ( ゚д゚)、ペッ
そもそもあれだけ優秀なスタッフで、予算が日本ゴジラ映画の10倍以上だから迫力のある映像が撮れて当たり前だろうが (#´Д`)


確かに軍用ヘリがゴジラを追うシーンはいいのだが、逆にゴジラから追いかけられるシーンは駄目だ。
操縦者が必死なのは伝わってくるのだが、指示をしている側からはそういった感情が全く伝わって来ないし、そもそも放射熱線などの遠距離攻撃もないので上に逃げればいいだけの話だ。
更に所々手抜きと思えるような部分もあり、海に逃げ込んだ時の波飛沫や波紋などが全くリアリティーがなく、重量感が感じられない。

そもそも、スタッフは本作を待ち望んでいた人のニーズに全く答えていない。
視聴者が望んでいたのはハリウッド版ゴジラ映画だ。
決して、巨大なイグアナがマンハッタンを走り回る映画ではない。

放射熱線はしないし、軍隊には全力で逃げるのに、民間人が乗るタクシーには襲いかかる。
しかもスペック上簡単に追い付けるのに、わざとスピードを落とし、ゆっくりといたぶるスタイルだ。
ゴジラってこんなに性格悪かったっけ・・・。

そういった性格もあってか、本作ではゴジラがもたらす怖さが全然描かれていない。
人びとの暮らしを
無差別に蹂躙するシーンもないし、建物の破壊に関してはゴジラ以上に米兵の方が破壊してるし・・・。

ゴジラ映画は人類の味方であるパターンと敵であるパターンがあるが、本作の場合は後者に当たる。
その場合、映画を終わらせる関係上何とかしてゴジラを倒さないといけない。
「オキシジェンデストロイヤー」や「メルトダウン」といった倒し方は全然納得出来るのだが、怪獣が何らかの攻撃、もしくは自らを犠牲にしてゴジラを海に落として終わりといった微塵も納得出来ないパターンがある。
そもそも、ゴジラは普通に泳げるので、這い上がってくればいいだけの話なので、倒したというのには疑問が残る。
しかも、このパターンが結構多い。

しかし、本作の場合は更に最悪だ・・・。
何と普通のミサイルでお亡くなってしまう。
これが、特殊なミサイルだったらまだ納得いくのだが・・・。
ときどき象のような

ジラ「パオ~~~ン」

といった情けない鳴き声をするし、もはや怪獣王ではなく最弱王だ。

この様には、知名度の高い映画監督も激怒しており、

ジョン・カーペンター「最低だ!」

ギャレス・エドワーズ「あれは本当のゴジラ映画ではない。」

スティーブン・スピルバーグ「私はこの映画を生涯見ることはないだろう。」

とコメントしている。

また、「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」では、

「以前ニューヨークに巨大な生物が出現し、ゴジラと名付けられているが日本の学者は同類とは認めていない」

と本作をディスる台詞がある。
更には「ファイナルウォーズ」でジラという名称で本作のゴジラが登場するが、嫌みから何故か質の低いCGを使っており、

ジラ「パオ~~~ン」

と、時折見せた象みたいな鳴き声がデフォルトになっている。
しかも、登場から僅か30秒で倒されるといった情けない醜態を晒している。
それを見ていたX星人の統制官は、

X星人「やっぱりマグロ食ってるようなのはダメだな」

と、馬鹿にされている。
因みに、「ファイナルウォーズ」はアメリカでも公開されたのだが、ジラが瞬殺された時は
皆がよくやったとばかりに拍手したらしい。
どんだけ嫌われてんだよ (´д`|||)

マグロといえば、「仮面ライダーBLACK」で、最強の怪人と言いつつも、マグロ泥棒という情けない犯罪を犯すが、寿司屋の店主に悪事がバレてしまい、挙げ句の果てには寿司屋の店主如きに必殺技を使う所まで追い詰められるという醜態を晒したマンモス怪人って奴がいたっけ。

話がずれてしまったが、何故本作が全世界から批判を浴びる事になったのか・・・。
一概には言えないが、一番大きな原因は製作陣にゴジラ愛が全然なかったからだと思う。

配給会社のトライスター・ピクチャーズは金儲けが出来る「ゴジラ」というネームバリューが欲しかったし、プロデューサーのディーン・デヴリンは「原子怪獣現わる」をリメイクしようとしたが資金が出なかったため、ゴジラのネームバリューが欲しかった。

更に、監督・脚本・原案を担当しているエメリッヒは、

エメリッヒ「当初、隕石が地球を襲う映画の企画をしていたが、東宝から突然オファーが来た。
着ぐるみの怪獣映画には全く興味などなかったが強い押しがあったので仕方なく受けた。
だが、今度は「ゴジラが人を食べない」といった細かいルールを提示されたので嫌気がさした。
なので、いい加減な脚本とデザインを提出し「これなら、あちらから断るだろう」と思ったらゴーサインが出てしまい仕方なく撮影に入った」

とコメントしている。
つまりは、製作陣のトップクラスの人達はゴジラ愛など全くなく、本作は私利私欲の為に作られた作品なのだ。

そんな考えでいい作品が出来る訳ねーだろ (*`Д´)ノ!!!

やはり、作品をリメイクするのであれば、技量よりもその作品に対する愛がある事が最低条件だと思う。
邦画でも、原作に全く愛がない製作陣が実写化する事が多い。「ガッチャマン」といった象の糞以下の作品がいい例だ。

まあ、とにかくそんな腐りきった人糞のような考えてで製作されたからか、ヒロインがかなり腐りきっている。

私利私欲の為に元彼の主人公に接近し、極秘テープを盗み出し、主人公は首になる。
その際に放った言い訳が、

クズ女「極秘テープなんて言わなかったじゃない!!」

クズな上におつむが弱いのが原因で、上司に手柄を取られるが、その際に放った台詞が、

クズ女「何て汚い奴!!」

その台詞、そっくりそのまま返してやるよ (#`皿´)

終盤にゴジラの巣のありか(ドーム)をアメリカ中に放送するのだが、

クズ女「ゴジラは今ドームに閉じ込めてます。」

と言っているが、そんな確証は全くなく、現にドームの入口はオープン状態だし、主人公がドームの入口に到着した時には50体くらいのベビーゴジラ(?)がいる。余裕で何10頭かは逃げてるのではないだろうか・・・。
エメリッヒの映画はクズなキャラクターが多いけどその中でも
トップクラスにクズだった。
正直、主人公一行が乗るタクシーがゴジラの口に入った際に、ジャン・レノ辺りが

ジャン・レノ「ウゼーよ、ビッチ!!死ねや!!」

と言って、ゴジラの喉に放り投げて欲しかった。

他にも主人公以外はいい加減でアホが多いが、このクズ女が特別に酷く見えてしまう。


本作は良い部分もあるのだが、それ以上に悪い点の方がどうしても目立ってしまった。
やはり、こういったものを映像化するには、実力以上に愛が必要なのだろう。
現にギャレゴジは、一部不満があるもののゴジラというより特撮に関する愛を感じる事が出来た(正直、ゴジラよりもガメラの方が合ってると思うが)。
製作陣が私利私欲に走らなければ、こんなに酷評される事はなかったと思う。
ポルりん

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